同僚の癌と退職日の延期

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彼女が

ご訪問ありがとうございます。みゅうです。

先週の金曜日、とても悲しいことが起きました。

7月31日で退職をすすめていたのですが、しばらくのびるかもしれません。

現在、勤めている病院での自部署。年齢的にも経験的にも私が管理職をしなくてはならない立場ですが、育児時短を利用しているため同じ部署の後輩一人が、ずっと管理職をしてくれていました。

そんな彼女が、癌になりました。彼女との付き合いはもう10年以上になる。

昨年結婚しまだ新婚の彼女。自宅も昨年購入したばかりであり、1年間は夫婦の時間を楽しみ、年齢的にもゆっくりしてられないからと、その後は子作りを頑張りたいとずっとずっと話してた。とても楽しそうに。

私が保護者会や子供の用事で仕事を休む時も、いつも仕事のカバーをしてくれており、本当に助けてもらってきた。彼女は彼女で、自分も仕事で助けてもらっているからお互い様だといつも口癖のように言っていた。そんなあたたかい彼女と年齢が違えど仲良くなるには、そんなに時間はかからなかった。

そんな彼女が先月から気持ちが悪いという日がちらほらみられ、仕事を休むことが多くなった。そんな中、ちょうどあった職場の健康診断でひっかかった彼女。貧血の数値がひどいから、早急に専門の病院へかかるようにとのうちの検査科からの打診だったようだ。

その検査結果のことを聞いていなかった私は、次の日婦人科の病院へ行きたいから休ませて欲しいと彼女から連絡をもらった時に、私はてっきり妊娠したのかと思った。勝手に一人喜んで、勝手にお祝いは何にしようと私の心はドキドキしていた。彼女の気持ちなんて全く知らなかった。

そして彼女が休んだその日、予定通り婦人科へ受診した旨の連絡をもらった。貧血がひどく鉄剤を飲むことになったと。命には別条がないからと一文くわえられ、そこで私ははじめて妊娠じゃなかったんだと悟り・・・そしてなんだかものすごく胸騒ぎがした。

そして、翌日彼女は出勤をした。朝一で、ゆっくり話をすることができた。

彼女から”粘膜下筋腫”の診断により手術適用になったと。その検査を受けていたと聞いた。筋腫も妊活のさまたげになるから、とったほうがいいと主治医に言われ、手術を受けることにしたと。子供が欲しいと願い、のん太郎とのん子のことをとても可愛がってくれている。私も、そんな彼女の赤ちゃんをいつか抱っこしたいとずっと思っており、その手術が良い方向にいくことを願った。手術はできるだけ早い方がよいし、私がいる間に手術を受けたいから、仕事のフォローを頼まれた。もちろんお互い様だった。

そして、その日の午前中いつも通り働き、忙しかった為少し遅めのお昼休みを迎えた。

食堂で一緒に麺をすすっていた時に、彼女のスマホが鳴った。検査を受けた病院からだった。食堂だったので、彼女はいったん席を外した。そして、私はとても嫌な予感がした。普通、病院からなんて急ぎでない限り、電話なんてこないはずだ。

しばらくして彼女は食堂へ戻ってきた。顔の表情が違う。何かあったんだと思った。

彼女が戻ってきた時は、遅い昼休みだったからか食堂にはもう私と彼女しかいなかった。

戻ってきた彼女は、立ったままスマホを片手に握りしめ私にこう言った。

「私、癌だって。」と。

はじめ何を言ったかわからなかった。彼女がもう一度いった。

「私、子宮体癌だって。」

その言葉に彼女より先に、私が泣き崩れてしまった。貧血の数値を聞いて、本当に筋腫だろうか・・・それにしては、数値が低すぎるのではないかと思ってた。けど、何も思わないようにしていた。

結局、初診の子宮粘膜下筋腫ではなかった。画像にうつったそれは、腫瘍だった。

子宮体癌。ステージは?ねぇ、死なないよね?子供は産めるの?命は大丈夫なの?オペはどうなるの?放射線治療は・・・。ねぇ・・・助かるよね・・・?ねぇ、死なないよね?

ききたいことはたくさんあった。たくさんあった。

ねぇ・・・死なないよね・・・・。心の中で何度も問う。もう涙が止まらない。

彼女より先に泣いてしまった私。落ち着け。落ち着けと自分に言い聞かせた。

私より先に泣かないでよと、彼女は泣きながら私に言った。

明日、すぐ病院へ来て欲しいと言われたそうで、おそらく今後の出勤は厳しくなるのではと予測された。そして、その予測通りになった。

その日の午後の勤務はしんどかった。トイレで冷静になり、明日から彼女が治療に専念できる体制作りを早急にすすめていくことにした。自部署の人数も少なく関係性が良いため、彼女の口から夕方部署のみなへ事情を伝えた。重い空気が流れた。また涙が溢れた。

彼女にはずっと自覚症状があった。子宮体癌は初期でも自覚症状でわかる癌の1つ。彼女には初期症状のひとつである不正出血があった。去年、不正出血の話を聞いていて、病院へ行きなよと伝えていた。最近、その話をしてなかったから私はてっきり症状としては落ち着いているのかと思っていた。

しかし私の思い込みとは裏腹に、長らく不正出血はあったようだった。私は、ずっとずっと伝えてた。専門の病院へ行きなよって・・・・。こんなことになるなら無理やりでも行かせればよかった。

旦那さんのこと大好きっていってたじゃん。その人との子どもが欲しいって言ってたじゃん。私が予約を代わりに取ってでも行かせればよかった。

私の後悔もあの日からずっと止まらない。

ねぇどうか、お願い。

体のどこか心配なところがあれば、すぐ病院へ。何もなければ、検診へ。

ねぇ、死ねないよ?大事な人たち残して死ねないんだよ。やり残したことあったら死ねないんだよ。

そして今日、休んでいる彼女から連絡がきた。

今週中に全身の検査をして、手術の術式を決め今後の治療方針を決めていくことになると。ステージ的には初期にから初期の後半で、ただし今後再発のリスクもあると。

子宮に関しては、できれば温存していきたいが癌の浸潤具合により何とも言えない状況で場合によっては子宮全摘のことも考えられると。私は、もう言葉がでなかった。

今は彼女の検査結果をまつことしかできないけれど、彼女の気持ちを思うと悲しく悲しくていたたまれない。日々頑張っている人に、なんでこんな仕打ちが待っているんだろう。

どうか、彼女の夢を奪わないで。どうか、お願い・・・。

美羽

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